2ntブログ

私の願望

快楽殺人許可証

【電波新聞社】

快楽殺人許可証No.6

 第一話 六発の実包

 Act.1

『究極のスナッフビデオ』

 これが今回私に与えられた課題だった。

 正直言って辟易した。人殺しは楽しいし、それが若い娘相手ならなおさらだ。しかし究極の
ものがほしいなど、スナッフビデオに限らず無理な話だ。特にスナッフなどという領域では
価値判断の基準が人によって違いすぎる。はらわたが出てるのがいい者、くびり殺したい者。
脱糞してないとだめ。ついでに鼻責めも。乳首にボルトとナットを。斬首。射殺。
バリエーションの豊かさはめまいがするほどだ。この中で仕事をしていると、自分自身の
殺人愛好癖すらありふれたつまらないものに思えてくる。

 しかし、課題は課題だ。今回のクライアントは射殺が好きという。少し前に思いついた、
一風変わったロシアンルーレットを試してみるのも一興だろう。

「暴代少佐、お久しぶりです。」

 収容所についた私を出迎えたのは、半年前まで私の副官を勤めていた織部准尉だった。
今は大尉の階級章をつけている。ちなみに、私の名は「あらしろ」と読む。

「織部准尉…いや、大尉か。出世したな。」

「その代わり軍事顧問団から憲兵隊の収容所警備隊に転属です。ここは退屈ですよ。」

「いずれ呼び戻してやる。そのうち、また美少女の肝臓を肴に一杯やろう。準備はできてるか?」

「地下八階の貴賓室です。言われていた銃も用意しました。」

 彼は旧式のリボルバー拳銃を差し出した。S&W M29。44マグナムだ。

「あまり強力な銃はだめだといったはずだぞ。」

「抜かりはありません。炸薬の量を減らしてますから、威力は38スペシャルほどもあり
ません。試射もすんでいます。」

「そうか。」

 貴賓室では、裸にされた六人の少女と、一人の兵士が私を待っていた。兵士は少女たちに
銃口を向けて監視している。私はその兵士を下がらせ、少女たちを見回した。
 今回の筋書きは、まだ完成というわけではなかった。主役の少女、見せしめに殺す少女
二人は決まっているが、残り三人に付いては配役が決まっていない。

 私は『主役』に決めた少女に視線を向けた。やや長身で、ほっそりとした体つきをして
いる。乳房は小ぶりで、艶のある長髪は腰のあたりまで伸びていた。顔立ちは美しいが、
今はその顔に険しい表情を浮かべて私をにらみつけている。

『今回の素材は珍品ですよ。財閥令嬢、ですからね。』

 私は織部の言葉を思い出した。彼女の名は戸山由香、大手兵器企業、『戸山電磁砲』社長の
一人娘だ。もっとも、政治的理由により先日この会社は国に接収され、経営者の一族は
ほとんどが逮捕されている。

 由香は軽蔑すら込めた目を私に向けていた。財閥令嬢にとっては、少佐といえども賤民に
すぎないのだろう。面白い。いつもの犠牲者は秘密警察の襟章を見るだけでおびえてしまう
ものだが、最近そんな反応には飽きていたところだ。

 私は由香の髪をわしづかみにした。強引に自分のほうに引き寄せる。彼女は悲鳴を上げ、
私の胸元に倒れこんできた。

「痛い!」

「抗議は一切聴かない。私の言うことを聞かなければ、殺す。聞けば釈放してやる。また、
今後私に対する抗議には何らかのペナルティを与える。」

「………」

「では、命令だ。ロシアンルーレットをしてもらう。」

「え?」

「この銃に一発だけ銃弾を入れてシリンダーを回転させるから、それを自分に向けて引き金を
引くんだ。」

「な、何よ、それ。弾が出たら死んじゃうじゃない。」

「抗議とみなし、ペナルティを与える。」

 私は無造作に少女の一人に銃口を向けた。

 私が選んだのは褐色の長髪を一つにまとめた少女だった。美しい容貌をしているが、由香
ほどではない。名前は、資料で読んだのだが、忘れてしまっていた。

「一人、殺す。」

 銃口を向けられた少女は愕然として私を見返した。目を見開き、釣り上げられた魚のように
口をパクパクさせている。恐怖のあまり、声も出ないようだ。私は彼女の上腹部にねらいを
つけ、発砲した。

 私は動体視力がいい。彼女の腹部に黒い穴があき、一拍おいておびただしい血があふれてくる
のもはっきりと見えた。弾丸は肝臓を貫いたのだ。少女は傷口を押さえながら仰向けにひっくり
返った。

「あ、う、かはっ」

 少女は床の上でのた打ち回っている。私はその少女の、傷ついた肝臓のあたりを思いきり踏みつけた。

「ぶぐっ、うぐあああああ」

 最初にくぐもった声、次は肺から絞り出すような絶叫。銃創からはさらに大量の血があふれ、
私のブーツを濡らす。尿道からも勢いよく小水が噴出する。幸い、脱糞はしなかった。
私にスカトロ趣味はない。私は少女の股間から顔に視線を移す。

 端正な顔は脂汗にまみれ、血の気はほとんど失われている。大きく見開かれた瞳はすでに焦点を
失いつつあった。私は、穴があいた肝臓からさらに血を絞り出すように、彼女の腹部を丹念に踏み
にじった。

「ひぐっ…ふあああ、ああ、か、かはっ」

 出血はさらに増し、血だまりが床に広がった。尿道は弛緩と痙攣を繰り返し、間欠的に少量の
尿が搾り出される。

 不意に、少女の瞳が半分がたまぶたの後ろに隠れた。四肢が今までとは違った痙攣をはじめる。
出血は勢いを失っていた。私は少女の心臓のあたりにつま先を当てる。すでに、脈動を感じることは
できなかった。

 まずは、一人。導入部は順調といってよさそうだった。いい仕事ができそうだ。

(残弾数:5)
>>NEXT



は行の著者様
バニ-7様
食人姫(しょくじんき)
 1・すべての始まり 2005/02/08
はあばあと西様
 無題 1999/03/16
Y.O憲兵中将の回想ノート 1999/11/23
快楽殺人許可証No.6 第一話
 Act.1 1999/04/14
 Act.2 1999/05/06
 Act.3 1999/06/17
 Act.4 1999/08/12
 Act.5 1999/10/21
 最終話 2000/09/15
快楽殺人許可証No.6 第二話「偽りの、報復」2001/06/05
快楽殺人許可証No.6特別編『ある監視カメラの映像』1999/09/30
ぱんどら様
略奪者  原案:GDK
 第1章-マイナス4- 1998/11/29
 第2章-マイナス3- 1998/11/29
 第3章-マイナス2- 1998/11/29
 第4章-マイナス1- 1998/11/29
 第5章-ゼロ- 1998/11/29
 第6章-プラス1- 1998/11/29
 最終章-プラス2- 1998/11/29
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 第1章 1998/12/18
 第2章 1998/12/18
 第3章 1998/12/18
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夏と言えばお化け屋敷なの!? 前編 2005/04/12
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  1. 2018/09/03(月) 20:38:00|
  2. 処刑
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