高倉健さん主演の映画をみて天空の城、竹田城跡に行ってみたい衝動にかられた『あなたへ』
映画『あなたへ』の倉島英二(高倉健)と洋子(田中裕子)の回想シーンの中でも
特に印象に残る山城跡でのコンサート場面。
英二が一人たたずむ城跡からカメラが遠ざかるにつれ、
雲海に浮かぶ天空の城がスクリーンに広がるシーンはとれも幻想的です。
この城跡のシーンは、天空の城、日本のマチュピチュと呼ばれ
今や全国区になった兵庫県朝来市和田山町の国史跡・竹田城跡で撮影されました。
標高353.7メートルの竹田城跡でのロケは、中腹の駐車場から
700メートルの間を15メートルの撮影用クレーンを分解して
人海戦術で運ぶなど苦労されたようです。
雲海のシーンをご覧になり、竹田城跡に行ってみたいという衝動にかられた
『あなたへ』
天空の城 竹田城の雲海は
来年も あなたの定年後も
湧き上がります。
以前は、天守から南千畳を狙うアングルに入ろうもななら、
「すみませ~ん。石垣の陰にかくれてくださ~い。」
と、のどかな雰囲気で撮影できましたが、今は人、人、人で、人の写り込まない写真は難しいかもしれません。
さらに、最近のブームで多くの方が訪れ、麓から車が渋滞します。
渋滞も楽しむ心と、時間に余裕をもってお越しいただく場合は良いのですが、
せっかく来てくださった方が不愉快な思いをされるのではないかと心配です。
じっくり楽しみたい方は、来年、10年後、定年後でも変わらない風景を楽しみいただけると思います。
このブログに紹介した朝来市HPのフリー画像の雲海は、何十年も登られて撮影されたものです。
はじめて訪れた時に遭遇できるかもしれませんし、何度、訪れても遭遇できないかもしれません。
城跡がでそうで、でない。こんな日もあります。
前日の雨と、天気図を眺め、明日は雲海が出ると思い登っても風が強く流されることもあります。
雲海に出会うため、一週間滞在される方もあります。
標高は低いですが、交通の便の悪さと、一週間ぐらい滞在するつもりで訪れるという点では、まさに、日本のマチュピチュと言えるかも。
竹田城跡の魅力のひとつに、雲海がでると人工的なものが何もかくれてしまうということがあります。
昔、サントリーウイスキーのCMで、田中裕子さんが「何も足さない。何もひかない。」というフレーズがあったと思います。(違う女優さんだったかも)
竹田城跡の雲海は、まさに、
何も足さない。何もひかない。そのままの姿で、後世に残したい日本の風景でしょう。
竹田城は1600年に廃城となりましたので、全国各地の小京都のような観光地ぽさはありませんが、最近、麓の城下に、カフェなどもできています。
造り酒屋の建物が宿になる計画などもあり、これからおもしろくなりそうな町です。
竹田城の日々刻々と変化する風景を眺める究極の選択は、麓の城下に住んでいただくことかもしれません。
但馬竹田は、最近まで木地師から受け継がれた家具造りの町としても知られていた、ものづくりの町です。
竹田城の風景に惚れ込んだ若いクラフトマンが全国から竹田に集まれば、おもしろいところになるかもしれません。
朝来市CATVの光ケーブル化も進められますので、作品を世界に向けて発信することも可能です。
案外、モントリオール映画祭で『あなたへ』を見た青年が、「ワタシ、タケダニスミマス」と来日されるかもれません。
映画の中で、ビートたけしさん演じる杉野さんが、種田山頭火の句集『草木塔(そうもくとう)』を主人公に手渡すシーンがあります。
一冊の本から『あなたへ』の続編を考えてみました。
家族の事で悩みながらイカ飯屋の実演販売で全国を飛び回る田宮裕司(草彅剛)は、倉橋英二(高倉健)が別れ際に行った、
「竹田城跡に登ぼり、雲海の中に身をおけば、悩みごとなどふっとぶぞ。」という言葉を思い出し、倉橋からもらった『草木塔』を片手に、列車に飛び乗ります。
姫路駅からJR播但線に乗換え、さらに寺前駅から単線の2両編成のディーゼル列車に乗り換えます。
鈍行列車の車窓の景色は、ゆったりと流れ、山頭火の句集を読むには、もってこいです。
東京駅を出発してから5時間、ようやく竹田駅に降り立ち、その日は、何もせず、ただ街を散策し、造り酒屋を改築したという宿に一泊する田宮。
翌朝、4時に起床。暗い中を懐中電灯の明かりをたよりに、山頂の竹田城跡をめざす田宮。
暗闇の中で、甲高い声をはじめてきき、不気味に思ったが、一緒に登った地元の方の話では鹿の鳴き声という。
この日の竹田城跡の雲海は、地元の人もめったに見られないという素晴らしいもので、朝日に照らされ、浮かび上がる以前のような元気な田宮の顔。
朝のすがすがしい空気に触れ、おなかも空き、宿に戻って朝食をいただくことにする。
麓の寺町通りですれ違い様に住職が一言。
「悟ったお顔をしておられる。それに、清らかな澄んだ眼だ。竹田城跡はお気に召しましたかな。」
田宮。一言。「ありがとうございます。」
全国を飛び回り舌の肥えている田宮は、山の中と期待していなかったが、日本海の新鮮な魚介類に、本場の但馬牛、まつたけと食材の豊富なのにはおどろかされる。なにより、ご飯がうまい。
女将の話では、今年も豊岡市からコウノトリが飛んできて話題になったという。明日、東京に帰る予定であったが、もう一晩泊ることにしようか。
南原(佐藤浩市)に電話をする田宮。
続編はわかりませんが、竹田城跡は今後も、多くの映画監督を魅了することでしょう。
ベンチに腰かけ、風を感じ、流れゆく雲を眺め、山頭火の句集を日長読んでみる。そんな贅沢な旅が竹田城跡にはぴったりかもしれません。
朝来(あさご)市のHPで、ロケの様子が紹介されています。コチラ
「ふぉと ぎゃらりー 天空の城 竹田城跡」はコチラ
兵庫県朝来(あさご)市のHP 全国一の山城遺跡 竹田城跡はコチラ
(竹田城跡のライブカメラ。雲海情報。ルートマップ。Q&Aなど)
「写真家 前田真三さんからの手紙と竹田城跡」はコチラ(20121111)
「風景遺産 『竹田城跡』 後世に残したい雲海に浮かぶ天空の城の風景」
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