私の願望
島原磔奇談 全編 ★★★
1. 原城跡にて
時子は原城跡で佇んでいた。そこは今から370年以上昔に島原の乱の終焉の地となった場所であった。城跡は海に突き出した地にあり、海の香りが心地よい風光明媚な地である。今では当時の面影と言えば崩れた石垣と小高い丘があり、言われて見れば城跡だったなと思えるくらいで徳川幕府の初頭に一揆軍4万幕府軍12万の戦いが此処で行われたなど想像も付かない、のどかな田園風景が続く地であった。
時子は大学の助教授で歴史人類学を専攻しており、ここ数年は戦国時代から江戸時代の刑罰史それも女性が当時どの様な刑罰に処せられていたかを調べていた。今回は島原の乱の後、一揆軍に加担した女性達が一揆鎮圧後にどの様な運命を辿ったか調べるためにこの地にやって来ていた。
一説では、一揆軍は戦いの中で老若男女全てが死んでいったことになっているが、戦いの中で捉えられその後に幕府側に寄って処刑されて行った女達がかなりの数いるのではないかと、時子は推測していた。ここ数日、原城跡近くに点在する教会や寺を巡り、古い文献を調べ回っていた。そして、幾つか目を通した文献にはやはり一揆後に捕縛された女達は過酷な刑罰でその命を散らして居たことが確認出来た。
時子は石垣の上に腰掛け、遠く水平線を眺め行き交う船を見ていた。すると、一人の小学生位の女の子が坂を登ってやって来た。
「あらっお嬢ちゃん、この辺の子かしら」
「そうよっ、私はこのお城の子です」
「お城の子っ」
「お母さんを助けてお願いっ」
「助けるって、どう言う事」
「明日、お母さんは悪い役人に殺されてしまうのっ、だからこれから助けてっ」
「お父さんはどうしてるのっ、お父さんはお母さんを助けないのっ」
「お父さんは死んじゃったっ、たくさんのお侍がやって来て、殺されちゃった」
「お父さんって、どんな人っ」
「四郎よっ、天草四郎って言うのっ」
時子はこの少女は少し頭がおかしいか、それとも大人をからかうのが好きなのかと思った。それに確か天草四郎は一揆の旗頭として死んだ時にはまだ16歳だった筈、目の前の少女は7,8歳に見える年齢的に合わない、というより、四郎の子供が目の前に
いる事が荒唐無稽であった。時子は軽く笑うと、それ以上の会話を少女としても意味が無いと思い、その場を立ち去ろうとした。その時、少女が時子の手を握った。その瞬間、時子は頭をガンと殴られた様な衝撃を受けた。
「うおーっ、城を、落とせっ皆殺しだーっ」
「ダーンッ、ダダーン、パンパンッ」
「来たぞーーっ、敵を城に入れるなっ」
時子は戦の真っ只中に立っていた。
「ああっ何っ」
咄嗟に少女の手を離した。するとスッと戦の光景が消えた。
「どうしてっ、お嬢ちゃんは一体」
「お母さんを助けてっ、明日、磔にされるのっ、助けてっ」
また、少女が時子の手を握った。
今度は二十人程の女が後ろ手に縛られ、うな垂れて河原を引き回されている光景が現れた。その向こうには磔柱が何本も横たえてあった。
「あっまた、見えたっこれは」
最後尾の女が振り向いた、その視線の先には落城したばかりで、まだ煙が燻る原城が見えていた。
「ああーっ、四郎様っ、私も直ぐお側に参ります」
女達は一人づつ順番に素っ裸にされると磔柱に大の字に括られていく。
そして、女を柱に架けると磔柱は垂直に立てられていった。先程振り向いた女も最後に素っ裸にされると、体を開かされ大の字に磔柱に架けられ柱が立てられた。磔柱の前には槍を手にした男達が二人づつ立っていた。
河原には20人もの女達が磔柱に大の字に架けられ、素っ裸で女の全てを晒して、槍で突き刺されるを待っている。
「あの女性達は一揆側の捉えられた女性だわ、やはり相当数の女性が一揆の後に処刑されていたんだ」
ギャーッ、女の断末魔の声が聞こえて来た。端の女の股間に槍が突き刺さっている。何度か槍がその女の股間に突き刺さると女は動かなくなり、すると隣の女の股間に槍が突き上げられそして動かなくなっていった。女達は順番に処刑されていった。自分の隣の女が串刺しされ、その苦痛の呻き声を聞かされ、声が聞こえ無くなった時が自分が串刺しされる時であった。隣の女の叫び声を聞かされながら自分の串刺しを待つ時間はどんなに恐怖を感じることであろう。女達はその恐怖に気が狂いそうになりながらも、磔柱にキッチリと括られもう逃げる事も出来ず覚悟するしかなかったのである。
処刑は女達の意思に関係なく次々と執行されていった。そして、あの振り向いた女の順番になっていた。時子はいつの間にか、女の磔柱のすぐ近くに立っていた。そして、その女の顔を良く見た。
「あっ、私と瓜二つだわっ、何故」
少女も時子の真横に立っていて時子の顔を見上げながら
「お母さんを助けてっ」
「この人がお嬢ちゃんのお母さんなのっ」
「そうよっ」
時子はその女の磔柱と男達の間に駆け込んだ。
「やめてっ、この人の処刑はやめてください」
男達は突然目の前に現れた時子に驚いた表情をした。
「何者っ、邪魔だていたすかっ、この女を捕らえろっ」
「抵抗も出来ない女達を残虐に殺すのはやめてください」
「この女は一揆の首謀者の天草四郎の妻お時だということだっ、見せしめに串刺し刑に致すことになっているっ、お前も四郎の関係者だなっ大人しく縛につけ」
「私は、一揆には関係無い者ですが、この女達があまりに可哀想なので、、、どうかこれ以上処刑はやめてください」
「ムムムッ、お前は奇怪な格好をしているなっ伴天連の一味に違いないっ」
「私はキリシタンでもありません」
「あっ、お前は、、、このお時にソックリではないかっ、では、この磔されている女はっ」
その男は時子と磔に架かっている、お時と思われる女の顔を見比べた。
「なんとっ、どうしたものかっ、お前とこの女とをもう一度吟味するっ、取り敢えずこの女を柱から降ろして連れて行けっ」
時子は男達に取り押さえられてしまった。時子の側に居た筈の少女は見当たらなかった。何処かに逃げたのだろうか。
天草四郎時貞には謎が多かった。一揆軍の旗頭にされるまでの記録が殆ど無く、突然人々の前に現れている。しかも16歳の若者が人々を先導していたとは考え難く彼の影には戦慣れしていた集団の影が伝承として伝えられている。一説には島原の乱はキリシタンの反乱では無く、関ヶ原の戦いに敗れた九州地方の大名の残党による反乱とも言われている。実際、関ヶ原の戦いの後に処刑された小西行長の家中だった者が島原の乱の主導的な役割をしていたことは分かっている。世に知られている天草四郎は傀儡の旗頭でその後ろに本当の天草四郎時貞がいて、16歳の四郎を操っていたのでは無いかと今では考えられている。とするとこの磔にされようとしていた、お時は16歳の四郎の妻で無く、その後ろで彼のを操って
いた本当の天草四郎時貞の妻である可能性がある。幕府側は実は本当の天草四郎時貞の行方を追っていたとも考えられる。そして、この本当の天草四郎時貞は大坂冬夏の陣で滅びた豊臣秀頼の嫡子ではないかと言う噂は当時からあった。秀頼の嫡子は大坂城落城のおり、これも討死したと定説では言われている真田幸村と共に大坂城を逃れ、薩摩の島津義弘の元で庇護され成長したものとも言われている。
時子は幕府側に捕らえられ、お時と一緒に調べられることになってしまった。
2. 時子と磔
時子とお時は同じ牢に入れられていた。お時は串刺し寸前に磔柱から降ろされ吟味のために再び牢に入れられて、過酷な吟味を待つ事になった。
「あのー、貴女は処刑場で私の横にいた女の子のお母さんなのですかっ、貴女のことをお母さんと言っていました」
「えっ、あの子がいたのですかっ、それであの子は今何処です」
「それが、突然居なくなってしまったのです。まるで消える様に」
「もしその子がお島なら、生きていたんですね」
「ええっ、そのお島ちゃんは元気でしたよ。ところで、天草四郎は貴女の夫なんですかっ」
「・・・・・それは言えません」
「そうですかっ、それから何故私達はこうも似ているのかしら」
「奇怪な事ですが何故だか私には分かりませんっ、貴女のお名前は、私はお時と申します」
「私は時子と言います。名前まで似ていますね。どうやら私は不思議な力でここにいる事になってしまいました」
「不思議な力っ」
牢の前に男が二人やって来た。
「おいっ、そこの奇妙な着物を着ている女っ、吟味を致すっ出て来い」
時子は牢を出ると振り返り、お時に声をかけた。
「お島ちゃんに会えるといいですね」
「時子さんっしっかりっ」
時子はお時の、しっかり、の言葉の意味が理解出来なかった。時子は取り調べをされても自分の疑いは直ぐに晴れると軽い気持ちでいた。お時はここの役人達はきっと、時子にも残忍な拷問をして、時子が何も喋らなければ問答無用に処刑する事を知っていた。事実、自分も厳しい拷問にも何も喋らなかった結果、磔に架けられたのだから。
「ギャーーッ」「うっうーーっ」その部屋の前に来ると、部屋の中からたくさんの女の悲鳴が聞こえてきた。時子はハッとして一瞬足を止めて後ろを歩く男の顔を見た。すると男はニヤリとして時子の顔を見た。
部屋の中に入れられた時子は、そのあまりの壮絶な光景に息をのんだ。
十数人の女達が裸に剥かれ、そこで様々な拷問を受けていた。三角木馬に跨がされ股間を裂かれながら呻き声を上げている女達の横では、天井から吊るされ鞭打たれ息も絶え絶えの女達、両足を大きく開かされて縛られ股間を蝋燭で炙られている女、そこは女の発する汗と体液の匂いで充満していた。
「おいっお前、ああなりたく無ければ、素直に何でも話す事だなっ、分かったか」
「そう言われても、私は何も知りません」
時子は拷問部屋の隣にある吟味部屋に連れて行かれた。そこには幕府軍の副氏の戸田氏鉄が待っていた。
「お前は四郎の妻なのか」
「いえっ、人違いです。私はこの一揆には何も関係ありませんっ」
「偽りを言うでないっ、お前が四郎の妻なのは分かっておるぞっ、四郎は今何処に隠れておるのだっ正直に話せ、さもなくば、隣の部屋で体に聞く事になるぞっ、それでいいのかっ」
「そう言われても、違うものは違いますっ信じてください」
「そうかっ白を切るつもりだな、お前が白を切り通すと、隣の部屋の女達が処刑される事になるが、それでもいいのかっ」
「あの女性達を助けてあげてくださいっ、お願いします」
「助けて欲しければっ、四郎の隠れ場所を言うんだっ」
「私は本当に知らないのです」
「そうかっ、仕方無い、女達を明日、処刑するっ、お前のせいで女達は死ぬ事になるっ、その無残な死に様をお前に見せてやろう」
時子は処刑場に連れて来られると、
柱に括り付けられた。時子の目の前には磔柱が20程並んでいた。昨日と同じ様にまた、ここで残酷な処刑が執り行われることになるのだろう。
暫くすると女達が後ろ手に縛られ、数珠繋ぎに繋がれて処刑場に引かれてやって来た。女達は既に観念しているのか、皆、抵抗もせず静々と歩いていた。そして、時子に気が付くと女達は「お時さまっ」と時子のことを呼んでいた。女達は時子をお時と勘違いしていた。時子は誰が見てもお時と瓜二つであった。
「お時さまっ、お先に行きます」
一人の女が時子に別れの挨拶をした。
戸田が時子の側にやって来た。
「今ならまだ間に合うぞっ、四郎の隠れ場所を言うんだっ」
「ああーっ、処刑をやめてっ、私は
お時では無いのですっですから四郎の隠れ場所など知らないのです。本当です」
「仕方無い、処刑をはじめろっ」
先頭の女は縄を解かれると、着物を剥ぎ取られ素っ裸にされた。そして、刑史に引き立てられると自分が架けられる磔柱の前に立たされた。
刑史がその女に向かって
「これより一揆の咎により、磔串刺しの刑に処するっ」
女は何も答えず俯いている。
刑史が数人掛かりで女を柱に寝かせると両手を開かせ横木に添えると荒縄で括り付け、胸の上下、腰を荒縄で括り付けた。そして、両足首を掴むと生木を割く様に両足を拡げ、股の関節が外れる程に開き足首を横木に括り付けた。女はこれから串刺しにされる股間の二つの穴を生々しい晒して、大の字の姿にされてしまった。そして、すかさず磔柱が垂直に立てられ、もう逃げも隠れも出来ず串刺しにされる瞬間を待つだけである。観念しているとはいえ、女は柱が立てられると恐怖に括られた裸身をブルブルと震わせている。これから女に取ってこれ以上は無い恥ずかしい姿で処刑される事になるのである。それは、女の証の穴を槍で突き刺さされ苦しみ抜いて息絶えることになるのである。
次の女がまた素っ裸にされると、磔柱に大の字に括られると柱が垂直に立てられた。また次の女も同じ様に磔柱に架けられていく。そして、20人の女達が素っ裸で磔柱に架けられ処刑の準備が終わった。時子の前の女達は大の字に裸身を開かれ、串刺しを待っていた。その光景は見るものを圧倒する残酷な光景である。時子は女達を正視出来ないでいた。
「さあ、これが最後だっ、四郎の隠れ場所を言えっ」
「処刑をやめてっ、私は四郎の妻では無いのです。信じてください」
「処刑を始めろっ」
「ああーっ、やめてーーっ」
時子は恐ろしさに目を閉じた。
「ウギャーーッ、グエーッ」
「ギャーーーーッ、たっ助けてっ」
「うっうっウギャーーッ」
20人の女達は同時に尻の穴を槍で突き刺され、叫び声をあげていた。そして、突き刺された槍が体の奥へ奥へと突き上げられている。女達はもがき苦しみ、括られた裸身を反り返らせ体中を震わせている。
「おっお時さまーーっ」
戸田は女達の串刺しを見ながら、時子に話かけた。
「見てみろっ、お前が白状しないから、この女達は地獄の苦しみを味わっているんだぞっ、なんと哀れな姿ではないかっ、お前のせいで死んで行くんだ」
女達の尻の穴からは血が噴き出て、磔柱の前の地面を真っ赤に染めている。しかし、尻の穴への串刺しでは簡単に死ぬ事は出来ず、女達は括られた裸身をピクピクと痙攣させていた。体に深く突き刺された槍はグイグイとより深く体の中へと突き進んで行く。
「もう女達を楽にさせてやりたいものだっ、どうだ話す気になったかっ
話せば女達を楽にさせてやるぞっ」
「分かりましたっ、言いますっ、だからあの女性達を楽にしてあげてっ」
「四郎の隠れ場所を話すんだなっ、そうなんだなっ」
「私は四郎の妻では無いのですがっ、同じ牢に入れられた私と瓜二つの女の人が天草四郎の妻です。娘さんがそう言っていました」
「やはりっあの女が四郎の妻かっ、あの女はどんな責めにも何一つ話さずにいたが、やはりそうだったんだな」
戸田が手を挙げて、刑史達に串刺しのトドメの合図を送った。
「よしっ、もういいだろうっ女達にトドメを刺せっ」
刑史達は尻の穴に突き刺していた槍をズルズルッと抜くと、女達の女の急所である割れ目の穴に槍を構え、そして、グサッと突き刺した。
「グエッーーーッ」
女達は断末魔の叫び声をあげると、割れ目から真っ赤な血をドバッと噴き出して、絶命していった。そして、まだ死に切れずにピクピクしている女には、心の臓目掛けて槍が突き刺された。女達は皆、括られている荒縄に体を預けて動かなくなった。
「ああーっ、なんて惨いの、これがこの時代の処刑なの」
時子は文献などで磔刑については詳しく知っていたつもりであったが、実際に処刑を目の前で見ると、あまりの残酷さに想像を遥かに超えていた。そして、人間がここまで残忍に成れるとは思ってもいなかったのである。
その晩、また時子はお時と同じ牢に入れられた。そして、女達の苦しみを長引かせないためとはいえ、お時が天草四郎の妻であると言ってしまった事を後悔していた。
「ゴメンなさいっ、お時さんっ今日私は、死に切れずに苦しんでいる女達を楽にさせるために、お時さんが天草四郎の妻であると言ってしまいました」
「そうですかっ、仕方ありませんね、時子さんの言う通り、私は四郎様の妻です。そして、貴方の会った娘のお島は私と四郎様の子です。一揆で討ち死にした天草四郎は本当の四郎では無くて、替玉の四郎でした。本当の四郎様は再起を図って、原城が落ちる前に城を抜け出しました。私とお島は四郎様の足手まといにならない様に城に残りました。そして、落城の混乱でお島と離ればなれになってしまい、私は幕府軍に捉えられてしまい、お島の消息が分からずにいたのです。時子さんがお島の元気な姿を見たので、安心しました。だから、もう私はどうなっても構いませんっ、四郎様とお島が生きていてくれさえすれば」
「ところで、その本当の天草四郎はもしかして、あの豊臣家に関係のある方では無いのですか」
「えっ、何故そんな事をっ、私はそこまでは知りませんっ」
「あの戸田と言う侍は、本当の天草四郎の隠れ先を詮索していますっ、お時さんは知っているのですか」
「それはっ、私にも分かりませんっ、それに知っていたとしてもお話は出来ません」
「そうですかっ、でもそれを話さないと、お時さんは酷い事をあの戸田にされてしまいますよ」
「いいんですっ、私はどうなっても、先日には処刑されかかってますから、どんな事をされても、もう覚悟は出来ています」
「でも、天草四郎を見つけ出すまで、あの戸田って侍は一揆に参加した女達を残忍に殺し続ける事になるのでは」
「いえっ、それは皆分かってくれます。四郎様は私達の希望なんですっ、あの人が今度こそ、私達の楽園を作ってくれると皆信じているのですっだから四郎様のために皆死んでも構わないと思っているのです」
時子は自分もお時さんもこのまま無事に済むとは思っていなかった。二人ともあの女達の様に、過酷な拷問をされ、結局は今日見た女達の様に磔刑に処せられるのでは無いかと思っていた。そして、何とか逃げる手段は無いかと考えていた。
3. 屈辱の時子とお時
拷問部屋には時子とお時、そしてあの戸田とその配下の男が4人いた。既に時子もお時も一糸も纏わない素っ裸にされ、後ろ手にキツく縛られていた。時子はこれから始まるであろう拷問に、恐怖のため縛られた体を震わせていた。
「さてっ、お前達、今日は素直に話して貰いたいものだな、だが今日はその前に少し愉しまさせて貰うぞ」
先日までこの拷問部屋では多数の女達が様々な拷問を受けていた筈であったが、今日の拷問部屋は他の女達は居なかった。それは、戸田が吟味という名目でこの二人の女を自分の欲望を満たすために連れて来たためであった。戸田に取っては、四郎の居所など本当はどうでも良かったのである。その事を口実に女達を責め苛む事自体が戸田の目的であった。
女達の拷問で苦しむ姿、そして磔で苦しみもがき恥ずかしい姿で死んでいく女達に、戸田はこの上無い興奮と快楽を感じていたのである。時子とお時は他の女達とは違う、天草四郎の関係者と言う特別な存在である。つまり、この二人は他の女達とは別の責めをして、自分の欲望を果たしたいと考えていた。
「ううっ、痒いっ、ああーっ」
「どうにかしてくださいっ、ああっ、アソコが痒いっ」
時子とお時は柱に後ろ手に縛られ、内股をモジモジさせてワレメの奥の痒みに耐えていた。二人は男達の手でワレメの肉壁に痒み汁をたっぷり塗られていたのであった。
「どうだっ、この特性の汁の味は堪らんだろう」
「ううっ、縄を解いてくださいっ、きっ気が狂いそうです、ああーっ」
時子は戸田の顔を見ながら懇願していた。戸田はニヤリとすると二人の前の床に飴色のデカイ張り型をドシリと立てた。
「これを使えば楽になるぞっ、さあどっちから先に使ってみるんだ」
時子とお時は柱の立ち縛りを解かれると、後ろ手縛りのまま床に転がされた。二人の女は股間をブルブルと震わせて、股を強く締めつけて痒みに堪えていた。そして、その目は床からそそり立つ張り型を見つめている。後ろ手に縛られていてはその張り型を自分から跨ぎ、そして、自分からワレメに咥える事になる。狂いそうな痒みとはいえ、女として自分からそんな痴態を晒す事は時子もお時も流石にためらいがあった。しかし、肉壁の痒みはもう耐える限界になって来ていた。
「ああーっ、お時さんっ、先にこれを使わせてっ、もう我慢出来ないっ」
「時子さんっ、私は大丈夫っ、どうぞっ、ううっお先に、して」
時子は、のそっと縛られた裸身を起こすと、そそり立つ張り型を跨ぎ大きく股を開くと腰をゆっくりと落としていった。そして、そのデカイ張り型の頭をワレメの入口に添えた。
「ああーっ、お願いっ、見ないでっ恥ずかしいっ」
「時子っ、そのデカイ張り型を呑み込む様をじっくりと見ていてやるぞっさあ腰をもっと落とせっ」
「嫌っ、ああーっ、もう我慢出来ないっ、、、、見ないでっ」
ズボッと時子のワレメはそのデカイ張り型を呑み込んだ。
「あああっああーっ、いいっ、いいっ」
時子は張り型をワレメに咥えると尻を落として、より深く張り型を呑み込んでいった。そして、張り型を根元まで呑み込むと、尻を上げズズズッと張り型で肉壁を擦る様に引き出していく。
「いいわぁっ、いいっああーっ」
お時は時子の痴態を見ていたが、お時も既に痒みの我慢の限界がやって来ていた。
「ううっ、時子さんっ、私ももうっ、我慢が出来なくなりました。お願いっ、それを私にも使わせてっ」
「ああーっ、ああーっ、いいっ、お時さんっ、御免なさいっもう少しこれを使わせてっ」
時子は尻を激しく上下させて、肉壁に張り型を擦り付けている。張り型には時子の愛液が滴り出していた。
「いいっ、いいっ、気持ちいいっ」
「お願いっ、時子さんっ、それを私にも使わせてっ」
その時、時子は激しく動かしていた体が勢い余ってワレメから張り型がズルっと抜けると仰向けに倒れてしまった。
「ああーっ、駄目ーーーっ」
お時は仰向けに倒れている時子を後目に、時子の愛液に塗れている張り型を跨ぐと勢い良く張り型をズボッとワレメに呑み込んだ。
「うっううっ、いいっ、いいーーーーーっ、時子さん御免なさいっ私も我慢出来ないのっ」
「ああーっ、お時さんっ、痒いっ痒いわっお願いっ、代わってっ」
一度痒みを抑え、愛液を染み出しでいた時子の肉壁は、愛液と痒み汁が混じり張り型を咥える前よりも耐え難い痒みに襲われていた。
「お時さんっ、お願いっ、お願いよっ、それを使わせてっ、かっ痒い」
お時は張り型をワレメの奥深く呑み込み、尻を前後左右に振り張り型を肉壁に擦り付けていた。
「あああーっ、きっ気持ちいいっ」
すると、お時はまだ痒みの残るワレメからズルッと張り型を抜いた。そして、時子に背を向けた。お時の尻の前には張り型が時子とお時の愛液に塗れたままそそり立っていた。
「ううっ、時子さんっ、どうぞ痒みを和らげてっ、さぁこれを使って」
「お時さんっ、あっありがとうっ」
時子もお時に背を向けると、またその張り型を跨ぎ愛液でドロドロになったワレメに咥えた。そして、奥深く呑み込んだ。
「あああーっ、いいーっ、ごっ御免なさい、お時さんっ」
お時は時子のために痒みに耐えている。
「ううっ、はぁはぁ、あーっ痒い」
時子はお時の声を聞くと、尻を上げて張り型を抜いた。
「お時さんっ、さあ使ってっ」
「時子さんっ、ありがとうっ」
今度はお時が張り型をワレメに呑み込んだ。
「いいっいいーーっ、ああーっ」
「よしっ、その辺でいいだろう」
戸田か突然、お時のワレメに呑み込まれいる張り型を取った。
「そんなっ、駄目っ」
「そろそろ、マンコを指で掻いてやるから、二人とも尻を高く上げて前屈みになれっ」
時子とお時は戸田達の前に並んで前屈みになり尻を高く上げた。
「おいっ、時子っお時っマンコを掻いて欲しいんだなっ、どんなんだ」
「ああーっ、そうですっ掻いてくださいっ」
「はいっ私もお願いしますっ」
戸田は時子の尻の前に屈み、もう一人の男がお時の尻の前に屈んだ。そして、人差し指を伸ばすと女のワレメの穴に指を突っ込み肉壁を掻き始めた。
「ああーっ、きっ気持ちいいです」
「ううっ、ありがとうございます」
時子とお時は尻を突き出し、男達にワレメの奥を掻かせていた。その姿は淫らで惨めな光景であった。素っ裸の女が後ろ手に縛られ尻を高く突き出して、女の恥ずかしい穴を男の指で掻き回され喘ぎ声を上げている。まともな感覚ではあり得ない光景であるが、女は正常な判断が出来なくなる程、凄まじい痒みに苛まれていたのであった。
これから、まだまだ二人には果てしない責めが待っている。
4. 引き回し
時子とお時は戸田に寄って三日三晩責め苛まれた。二人の女は戸田の過酷な責めにも淫らに反応し、どの様な恥ずかしい事でもどの様な苦痛にも女の園をドロドロに濡らして喘ぎ声を発するまで調教されてしまっていた。すると、戸田はもうこの二人の女達を責めるのに飽きたようであった。もう戸田に取っては天草四郎の事など、どうでも良かった。そして、身も心も崩壊した二人の女を後は、残忍に処刑して己の欲望を満足させる事にしたのだった。時子とお時の処刑は明日に執行することになった。
時子とお時の処刑場への引き回しは
戸田の考えで淫残を極める姿で行われることになっていた。それは、女として生まれたことを後悔させられる程の残忍さで行われるのであった。
「時子さん、関係の無い貴女をとんでもない事にしてしまって、本当に申し訳ありませんっ、私はもう覚悟が出来ていますが、時子さんも明日はどんな酷い目にあわされるかと思うと胸が痛みます」
「ああーっ、お時さん、私は明日が怖いっ、なんとかここから逃げられないかしら」
「もう時子さん、諦めてください。せめて四郎さま達がいてくださったらっ、ここから脱出出来たかもしれませんが、もう今頃は四郎さま達は遠くに逃げられたことでしょう」
「そうですかっ、でもでも、なんで私までこんな目に合わなければならないのでしょうっ、あの戸田って侍は本当に残忍な男ですっ、許せないっ」
次の日の朝が来た。時子とお時の処刑は昼に行われる事になっていた。それまでの間、二人の女には辛い引き回しが待っていた。
「ううっ、助けてっ、いっ痛いっ」
時子は町並みの中、馬に乗せられて引き回されている。馬と言っても生きた馬では無く、硬い角の尖った木製の馬に跨り引き回されていた。しかも、その姿は一片の布切れも羽織って居ない素っ裸の姿で柔らかい女の股の肉を鋭く尖った三角の馬の背に食い込ませて後ろ手に縛られその豊かな乳房の上下にもキツく縄を掛けられていた。木馬の脚に有る車輪がゴトゴトと動く度に時子の柔らかい股の肉に尖った三角が激しく食い込んでいた。
そして、お時も時子の後ろを残酷な木馬に素っ裸で跨らせられ引き回されていた。お時は歯を食いしばり呻き声を発していなかった。しかし、股間を裂く尖った三角の角の激痛に髪は解け体中に苦痛の汗を滴らせていた。そして、この苦しみの先に自分達が望んでいた世界が待っていると信じていたのであった。
二人の女の苦痛の先には死が待っていた。この木馬の引き回しの果てには更なる苦痛の死が待っているのである。
「ああーっ、ううっ、お願いでございます。どうかこの木馬から降ろしてくださいっ」
時子は何度も木馬を引く男達に懇願していた。しかし、男達は好奇の目で時子の裸身を眺め、そして、赤い血が滲む女の股間をニヤニヤしながら眺めるだけであった。
時子は余りの苦痛の為に気を失いかけ、一瞬、跨っている木馬から落ちそうになった。すると、男達は残酷にも時子の両足首に重りを付け、上体が倒れても足の重りで木馬から落ちない様にしてしまった。
「ギャーッ、そっそんなっ、あそこが裂けるっ」
時子は体を反り返して激痛に耐えようとしたが、体を反り返した事により尻の穴にもろに尖った角を食い込ます事になってしまった。そして、肛門を尖った角が裂いてしまった。
「ウグァーッ、ぐぐぐっ」
(ああーっ、時子さんっ辛いでしょうけど、これは私達の試練です。どうか耐えてっ)
お時は苦痛の中、自分の前を引き回されている時子の裸の背を見ながら、時子の苦痛が少しでも和らぐことを祈っていた。
この残酷で淫らな引き回しが始まって一刻以上は経っていた。お時はもう既に股間の感覚が無くなり、何度と無く気を失いかけたが、気を失い苦しみから逃れる事はデウス様の試練から逃げる事になる。それはお時としては何としても許されない事であった。
しかし、お時も体が痙攣しフラフラと動き出した。それを見た男達は時子と同じ様に両足首に重りを付けた。
「ううっ、あああっ」
お時の両足が重りの為に真っ直ぐに伸びた。そして、ワレメに木馬の背が激しく食い込み女の肉を裂いた。
赤い血が木馬の背を真っ赤に染め、真っ直ぐに伸びた腿を伝い足先から地面に滴り落ちた。
ガタゴトと二人の女を乗せた木馬は町並みを抜け、処刑場のある川沿いに差し掛かって来た。川の対岸に一人の少女が木馬に跨る二人の女を見つめていた。
(あっ、あそこにいるのは、お島っ、ああーっ、お島だわ)
お時は木馬の上から、我が子のお島を見つけた。
(生きていたのねっ、良かったっ、さぁお島っ早く逃げなさいっ、こんな所に居てはいけないっ、逃げてっ、そして、母の無残な処刑は見ないで)
しかし、お島は引き回しの一行を追う様に対岸をついて来ている。
川に架かる橋を渡った先に時子とお時が引き回されて行く処刑場がある。引き回しの一行は橋のたもとに差し掛かった。そこからは竹矢来に囲まれた処刑場が見えて来た。間も無く、この残酷な木馬での引き回しも終わりである、そしてそれは二人の女の処刑の始まりであった。竹矢来の周りには一揆には加わらなかったがお時や天草四郎達の気持ちと同じ思いの人々が、二人の女の処刑を哀しみの心で見届け様と集まっていたのである。
橋を渡った所で引き回しをずっと追いかけていたお島が突然、お時の側にスタスタと歩み寄って来た。
「お母さんっ、お母さんっ、助けに来たよっ」
「お島っ、側に寄っては駄目っ、さぁあっちに行きなさい」
引き回しの同行の役人達は少女が木馬に跨る女の側に寄って来るのに気付くと
「何をしておるっ、そこの子供っ、罪人に近寄るで無いっ、離れるんだ」
「お母さんっ、一緒に来てっ」
しかし、お島は役人の声に怯むこと無く、お時の真っ直ぐに伸び切った足下に来るとその足に手を触れた。すると、お時は雷に撃たれた様に、その縛られ木馬に跨された裸身を一瞬硬直させ、そしてガクッと前屈みに倒れたと思ったら、突然、木馬の上から消えてしまった。と同時にお島も消えてしまった。
「おおっ、何事っ、女が居なくなったぞっ、こっこれはっ」
「探せーっ、これはっ妖術かっ、何処に行ったっ」
時子は苦痛に意識が薄らいでいる中でその騒ぎの声を聞いていた。そして、自分の後ろのお時に何かが起こったのが分かった。
「ううっ、お時さんっ」
処刑場では時子が大の字に磔柱に架けられ、まさにこれから串刺しにされようとしていた。
お時が忽然と引き回し中に消えた事により、一時は役人達もそして処刑場で磔を検分する為に、先に処刑場に来ていた戸田も大騒ぎになったが、消えたお時の詮索は後に行うとして、予定通り時子の処刑は執行することになった。時子は散々女の股間を苦しめた木馬から降ろされると、直ぐにキの字の磔柱に両手両足を開いて括られ、磔柱が立てられ、その素っ裸に剥かれた裸身を隠す所無く晒されていた。時子の股間のワレメ、尻の穴は先程来の木馬の背に裂かれ既に真っ赤に染まっており、拡げられた女の園は見るも無残な有様であった。
戸田が時子の磔柱の前にやって来た。
「時子っ、お時は何処かに逃げたらしいがっ、お前にはお時の分も苦痛を味わって貰うからなっいいなっ」
「戸田様っ、何度も言いますが、私はこの時代の者ではありませんっ、まして、一揆には全く関係が無いのです。どうかご承ですからお助けくださいっ」
「うるさいっ、お前が誰であろうと、もう関係ないっ、それ、ここに集まる者共は、皆お前を四郎の女だと思っておるぞっ、それで良いんだ
っ、悪いが時子っお前はお時として死んで貰ういいなっ」
「そんなっそんな酷い事をっ、なんて無茶苦茶なっ、それがこの時代の裁きなのですかっ」
「ああ、そうだっもう問答無用だなっ、良しっこの女の処刑を始めろっ、ただ、直ぐには殺すなよっ、とことん苦めてから止めを刺せっ、いいなっ」
「はっ、承知致しました」
二人の執行人は戸田に向かって返事をすると、素っ裸で大の字に磔柱に括られている時子を見上げてニヤリとした。
「ああーっ、戸田様っ、お許しをっお願いいたしますっ」
「もう女っ観念しろっ、どうぞ串刺ししてくださいって格好をしているんだっ、この槍からはもう逃げも隠れも出来んぞっ、じっくり嬲り殺してやるっ」
執行人の一人が槍を時子にかざしながら、時子に話かけた。
「そんなっ、あっあっああーっ、たっ助けて、私は違うんです」
(何故、私はここにいるのだろう。これから本当に私は殺されるのだろうか、そんな馬鹿なっ、あの私に瓜二つのお時とは、そしてお島と言う少女は一体っ、何者。天草四郎はどうなったのだろう。ああーっ、分からない、助けてっ)
5. 処刑から現代へ
今まさに、時子が串刺しにされようとしている。竹矢来の周りに集まり悲しい運命のお時を固唾を飲んで見守っている人々 “人々は時子をお時と思っていた” その中に、ある一団が隠れ処刑の成り行きを伺っていた。
話を前日の昼に戻そう。
落城した原城から海岸伝いに島原半島を進んだ一画に陸地からは辿り着けない小さな洞穴が有った。そこは海上の舟からさえ、よくよく近付いて見ないと発見出来ない洞穴であった。その中に原城から落ち延びた天草四郎時貞こと豊臣秀頼の嫡子秀貞が20人程の武士達と隠れていた。
「秀貞さまっ、近在の者の話では明日、お時さまの処刑が行われるとの事、如何いたしますかっ」
「なんとっ、一時は処刑が中止になったと聞き及んでいたが、幕府の輩目、また再び、お時を処刑することにしたとはっ」
「今度は助けに行かれますか」
「うむっ、もうこうなっては再起も叶わぬなっ頼りの島津殿も幕府の圧力に屈して、もう我々を匿ってもくれまいっ、進退極まったのう。かくなる上は豊臣の旗を押したて、討死覚悟でお時の元へ馳せ参じようかのう」
「我々一同、秀貞さまと共に華々しく散りとう御座います」
「よしっ分かった、皆の者っ明日は華々しく共に散って、豊臣の意地をそして、一揆で死んでいった者達の無念を晴らそうぞ」
「おおーっ」
その夜、秀貞とその一党は隠してあった小舟に分乗すると原城を目指した。明け方に原城の裏手に着くと、秀貞の再びの蜂起を伝え聞いて落ち武者達が集まって来ていた。その総勢は50人を越える軍勢になっていた。とはいえ、幕府軍に到底敵う訳も無く、それは豊臣秀貞そして、島原の乱に加わった者どもの幕府に一矢報いたいとの悲しい意地であった。原城を回り込み、お時が処刑される刑場に進んでいた一行の前に、突然、お時とお島が現れた。お時は引き回しから消えた時と同じ姿の素っ裸で股間からは血が滴っていた。フラフラとお時は秀貞達の前に来ると両手を付き頭を下げて
「ああーっ、四郎さまっ、お会いしとう御座いました」
「なんとっ、そなたはお時ではないかっ、そしてお島までっ、しかしその様な姿で如何いたした。これ、誰かっお時の肌を何かで覆ってやれっ」
一人の武士が自分の着ていた着物を脱ぐと、サッと、お時の裸身にそれを掛けた。
「四郎さまっ、これよりどちらにっ」
「お時っお前を助けるべく、最後の合戦をする為っ刑場に赴く途中であったっ、しかし、お時、お前がここにいると言うことは処刑は取り止めに成ったのだなっ、ではっ幕府共の陣屋にでも斬り込むとするかっ」
「ではっ、もう四郎さまは死ぬ覚悟で御座いますかっ、分かりました。ではっ、お願いがありますっ実は私と間違われた時子と申す女人が、これから処刑され様としております。何卒、その時子さまをお助けください」
「そうかっ相分かった、その時子と申す女人を助けるべく一合戦いたそう」
「ありがとうございますっ、そして四郎さまっ生きてお戻りください」
「うむっ、それは叶わぬ事になろう。私が戻らぬ事になったら、お時良く聞くのだぞっ、お島を連れて遠く上方の先信州の真田信之殿を頼って行きなさい。信之殿は私を大坂城より連れ出し島津殿の処に連れていってくださった真田幸村殿の兄上でござる。私から一筆書くそれからこの豊臣の旗も持って行きなさいっ、信之殿を頼るのだ、きっと悪い様にはせぬ筈だ」
「四郎さまっいえっ秀貞さまっ、分かりましたっ、ではっ存分にお働きくださいませっ」
「うむっ、お時っさらばじゃ」
「はいっ」
「お父さまっ」
「お島っお前もいい娘であったぞっ達者でな」
「うんっ」
お時は涙を流し、秀貞の一行を見送くった。考えてみれば、このお島の不思議な能力が秀貞こと天草四郎時貞を神格化していったのである。数々の四郎の伝説の奇跡は全てお島が起こしたものであった。
話は処刑場に戻り、今まさに時子が串刺しにされ様としていた。その時
群衆を掻き分け秀貞の一団が現れた。パーンッパッパーン、鉄砲の音がして、時子の磔柱の周りの執行人達がバタバタと倒れた。竹矢来の向こうに豊臣の旗がサッと立った。そして、竹矢来を押し倒すと秀貞の一団が処刑場になだれ込んで来た。
「やはりっ一揆の残党が来たぞっ、それにあれは豊臣の旗印っやはり天草四郎は豊臣ゆかりの者だったのだな。これは良い手柄になるぞっ、手筈通り、押し包んで皆殺しにいたせっ」
幕府軍福使の戸田氏鉄が叫んだ。幕府側は既に一揆の残党の動きは察していて、準備万端、秀貞の一団を待ち構えていたのであった。
秀貞が時子の磔柱の前に駆けつけた。秀貞は時子のあまりにも無残な磔姿に目を伏せると時子の素っ裸に晒された姿に背を向け
「そなたが時子殿かっ、助けに参った、暫し待たれいっ幕府の者どもを討ち果たしたら、直ぐにお助けいたすで」
「あっ、あなたさまはっ」
「お時から、そなたを助けてくれと頼まれた者だっ」
「もしやっ天草四郎殿ではっ」
その男は時子に振り返るとニコッと笑った。
しかし、秀貞達の周りにおびただしい数の幕府の兵がやって来た。パンパンッ鉄砲の音が聞こえる。秀貞達は一人そして一人とその場に倒れていった。
「むむっ、やはり待ち伏せしていたのかっ、時子殿っお助け出来ぬかもしれませぬ、許せっ」
そう秀貞は時子に言い放つと、うおーっ、と言う声を上げ、幕府の兵達に秀貞とその一団が突撃をしていった。呆気ない終わりであった。秀貞を含め他の侍達も皆、鉄砲の一斉射撃に倒れてしまった。
「ああーっ、そんなっ皆死なないで、助けてっお願いっ」
処刑場にはおびただしい骸と、磔柱に大の字に架けられた時子が残った。見物の群衆ももうその場には居なかった。
「さてっお時、処刑の続きを始めるとしようかっ、沢山の者達が道連れになって、お前も淋しくなかろう」
戸田が時子に話掛けた。
「これで方が付いたのではありませんかっ、お願いしますっお助けくださいっ」
「お時っお前の処刑が終わってやっと方が付くことになるんだっ、さあ、この女を串刺しにしろっ、いや待て拙者がやるっその槍を寄こせ」
「ああーっ、酷いったっ助けて」
戸田が残忍な目を輝かせて、時子の磔柱の下に鋭く尖った槍を持って立った。三角木馬に裂かれ、血の噴き出ていた時子の二つの穴は先刻来の騒動の間に血が固まりかけていた。それはそうであろう、吹きっ晒しの風の中で股間を晒していたのである。痛みはあるものの裂かれた部分の血は止まり赤黒く固まりかけていた。
「おいっ女っ、どっちの穴から串刺しにするかっ、望みが有れば叶えてやるぞ」
「あああっああーっ、ゆっ許して」
「では、ヒクヒク蠢くマンコから突くとするかっ」
戸田はゆっくりと槍の先を時子のワレメに呑み込ませた。ネチャリと音がしてワレメの穴は槍の先を含んだ。
「ああーっ、こっ怖いっやめて」
戸田は槍の先を時子のワレメの穴に呑み込ませたまま、その先をグリグリと回し槍がワレメの肉を突き刺さぬ様にして、時子の反応を愉しんでいる。
「そんなっ、動かさないで」
「そうかなっ、女っ恐怖の中の快感は堪らんだろっ、どうだ」
「こっ怖いっ、おやめくださいっ」
時子は内股をブルブルと震わせていた。
「これはっどうだっ」
戸田は持っている槍の柄に少し力を入れて、槍の先をワレメの穴の奥に突き入れた。
「ウッウグァー、いっ痛いーっ、許して」
時子のワレメから血がドロッと垂れて来た。すると、戸田は一旦槍の先をワレメのから抜いた。
「マンコは女の急所でなっ余り深く突き刺すと死んでしまうからなっ、
うひっひっ、今度は奥に控える穴を突くぞ」
「うっグッグッグッ、もうやめてくださいっ」
メリメリッ、槍の先が時子の尻の穴に呑み込まされた。戸田は槍の先を軽く含ませると、先程と同じ様に槍の先をグリグリと回して時子の反応を愉しんでいる。
「うっグアーッ、そこは許してっ」
「ケツの穴はっどこまで突き刺せば、肉を破るかなっ、どうだ女っまだまだ呑み込めるなっ」
「駄目ーっ、もう無理ですっそこでおやめくださいっ、お願いーっ」
戸田は槍を強く握るとグサッと時子の尻の穴の奥に槍の先を進めた。赤い血が槍の柄を伝わって滴って来た。
「ウギャーーッ、たっ助けてっ、それ以上は許してっ」
戸田はまた尻の穴に突き刺していた槍の先を抜いた。
「ああーっ、あっあっあーっ、もう許してくださいっ、死にたくない」
時子は大きく割り拡げた股間のワレメの穴と尻の穴からポタポタと血を垂らしている。そして、二つの穴の痛みに耐えているのか、縛られ括られた体をプルプルと震わせている。
「女っ、次はもっと深く槍を突き刺すぞっ、いいなっまだまだ死ぬなよっ、もっともっと愉しませてくれ」
「嫌ーーーーっ、殺さないでっ死にたくないっ」
ブスリ、槍の先が尻の穴に突き刺された。そして、グイッグイッと戸田は槍を尻の穴の奥へ奥へと突き上げていった。
「ウッウギャーーッ、駄目ーっ、いっ痛い、グアーッゲッ、グッグッ」
「ケツの穴は見事に槍を呑み込むぞっ、それっまだまだ奥まで入っていくぞ」
「グッグギャアー、ギャーッ」
ぐぢゃりと時子の体の中で鈍い音がした。その瞬間、時子は大きく体をうねらせた。そして、括られた足首を反り返し、両手の平を反る様に開いた。体全体がガクガクと痙攣し、白目を向いて空に顔を上げた。
「グッグッグガガァーッ、グアーッ」
時子は獣の様な声をあげている。尻の穴から噴き出る血が柱の元に溜まりを作り出している。戸田は尻を串刺しにしている槍をそのままにすると、もう一本の槍を手にし、時子のワレメにその槍を構えた。
時子は戸田の構える槍先を見つめながら、最後の力を振り絞って頭を左右に振っている。
「ウッ、ウッ、もうやめてっグアーッ、お願いっ殺さないでっ」
「女っ、まだまだ地獄の苦しみを味わっていたいのかっ、どうなんだ」
「ウグァー、死にたくないっ」
戸田は槍の先をワレメの穴に突き入れた。ドバッと血が噴き出たがそれはまだまだトドメの突きでは無かった。
「グギャーーーーーッ、ガアアアッ」
「女っ、まだまだ続けるか、どうなんだっ、まだ死にたくないかっ」
「うっグッグッグガガァーッ、ああーっ、死にたくないっ助けてっ」
戸田は槍をワレメからヌルッと引き抜くと、槍先をワレメの穴にグサッグサッと突き入れ出した。
「グッギャッ、ガアアッ、クゲエッ、ギェーッ」
「まだ生きたいのかっどうなんだっ、楽にしてやっても良いぞ」
時子の磔柱に括られた体はピクピク、ブルブルと小刻みに痙攣し、息も絶え絶えであった。
「ウッグッーッ、もう、殺してっ、
楽にしてっ」
「そうかっ、女っ串刺しで殺されるのが、お前の望みだなっ」
時子はコクンとゆっくり頷いた。
戸田は一旦後ろに下がり、磔柱に架かり素っ裸で女の全てを晒して、息も絶え絶えの時子を眺めた。戸田の股間の逸物はビンと痛い程硬くなっていた。戸田は満足であった。
最後の一撃が時子の無惨に拡げられたワレメの穴に突き刺された。
「ウギャーーーーーーーーッ」
時子の断末魔の叫びが処刑場に鳴り響いた。そして、ブルブルブルッと体を大きく痙攣されると、その縛られた裸身を縄に預ける様にガクリと力を失い沈み込んだ。すると、槍を咥えているワレメからジョジョジョーッと小水が垂れ落ち、磔柱の下を黒く染めた。時子は前と後ろの穴に槍を突き刺され、そして最後に失禁をして死んでいった。
処刑場は薄暗くなりかけていた。その場には誰も居なくなっていた。皆、戸田の壮絶な串刺しを見ることが出来ず、その場を立ち去っていたのである。戸田はゆっくりと磔柱の前から離れる、時子の死に様を眺めていた。
お時は時子の運命を知らなかった。もちろん、秀貞は討死した事だろうと思っていた。それから、数ヶ月、お時とお島は信州の真田信之の元に辿り着いた。二人は地元の商家の家に預けられ無事に生涯を全うした。そして、お島の子孫はその後松本に移り住み、徳川の時代を乗り切り、幕末そして、昭和、平成の時代へとお島の子孫は生き抜いた。
時子は松本に生まれそして育った。中学の頃より、先祖の宝として豊臣の旗印が家にあるのが不思議であった。豊臣氏は徳川幕府の開府の頃に滅んだ筈と歴史では習っていた。その豊臣の旗印の謎を解明したく、いつしか時子は歴史にのめり込んでいった。そして、天草の研究旅行で今回の不思議な体験をし、お時の身代わりになる様にして処刑されたのである。それは、時子が自分の先祖であるお時そしてお島を、天草から生きて親子を松本へとの道筋を作ったようであった。もし、天草でお時が処刑されていれば、小さなお島に信州に逃げる事など出来る筈もなかったからだ。そして、天草で処刑された時子に自分が何の為に島原の乱の時代にやって来て何を成し遂げたかを知る良しも無かった。一つ確かな事は
時子の家系は関白豊臣秀吉、そしてそれはあの織田信長へと続いている事であった。
完
2018/08/09(木) 13:18:00
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